『ハチ北ミュージックフェス』最重要人物の2人にインタビューをしました②

ーーハチ北ミュージックフェスでイベント制作を担当しているムッティーです。

人物紹介:ムッティー

ハチ北ミュージックフェスの制作スタッフ。
京都 西京極のレンタルスタジオ『STUDIO IZ』のオーナーでもあり、キネマズのギタリストでもある。

ーー前回に引き続き、ハチ北ミュージックフェスの最重要人物、西谷大我(以下タイガ)さんと西村智洋(以下トモ)さんに、ハチ北フェスについてインタビューしてみました!

僕は、ハチ北フェスは、将来的にはどんどんいろんなひとのやりたいことを実現できるフェスにしていきたい

ムッティー

前回、現状はそんなに多くの人が来るわけではないけど、来た人全員が満足できるフェスだという話がありましたが、お二人はこれからのハチ北ミュージックフェスをどんな風にしていきたいですか?

トモ
僕はまあ、自分がフェスにこういうのがあったらええなあっていうのを想像して今動いとるんで、僕がお客さんだったら楽しいフェスなのは間違いないんだけど。
僕としては、地元の食材があって、おいしいビールがあって、音楽があって、キャンプができて、みたいな、今のところはそれさえ押さえていればっていう。
ムッティー

そこは去年見てて結構実現できてる部分は多かったと思いますね。

トモ
ただ二回目三回目になってくると、いろんな人がどんどん意見を出してくれて、そっちのほうに流れていくのもいいかなって。今ってめっちゃいっぱいフェスあるじゃないですか。僕が第一回目にやろうとしてたのは、本当にそういう、よくあるフェスをやろうとしていただけであって、今二回目三回目になってきて、少しずつ関わってくれる人とかハチ北ならではの個性が出てきたらいいかなと思う。
タイガ
うん、どうせやるんやったらハチ北ならではってのをいっこはやりたいですよね。どこもやってないことっていうか。やっぱりかっこつけたいですよね。
トモ
それはまあ、一つ目指したいところですね。どこもやってないことをやるっていうのは必要なのかなって。
タイガ
うち(Aoitori)はパラグライダーやっとるんで、アーティストが空から演奏しながら降りてくるとか(笑)
あとは、今の直近の目標で言うと、町を巻き込むってことですよね。香美町がどれだけ認めてくれるかっていう。今は、要は『ハチ北』がやっとるなって感じ。それを『香美町』がこんなことしてますよって言って広報してもらえるようなフェスにしていかないと。
ムッティー

関わる人を増やしていきたいと。

タイガ
物事って多分なんでもそうで、ここの小さなコミュニティでやってることがいきなり世界に取り上げられることってなかなかなくて、段階を踏んで広がっていくもんだと思うんです。将来的に、トモちゃんの言うように西のフジロックにしたいっていう気持ちがあるんなら、町くらい巻き込めなきゃ絶対無理なんですよね。で、そのあとに県を巻き込んで、西日本を巻き込んでっていうふうにしていかないと。
でもそれは、多分やってることがおもしろいってだけじゃ無理やと思いますね。今後はそのへんをもっと真剣に考えていかんと、ある一定のところまでいったらもう頭打ち状態になるんじゃないかなって思います。こいつらすげー経済効果を生むようなことをしてるぞっていうふうに、一目置かせなあかんと思う。それくらいの気概がないと。

ムッティー

お二人自身がこういうことやってみたい、っていうのはありますか?

タイガ
あるんですけどね、それは今はまだちょっと、お金的にできないんですよ。
ムッティー

なになに?

タイガ
…僕は、ほんまの夢は、ハチ北ミュージックフェスで、増雪機で雪山を…。

ムッティー

スキー好きやなー! もう!(笑)

タイガ
だってここスキー場なんすよ! 秋に雪山作ってジャンプ台でプロのフリースタイラーの人がビッグエア跳ぶような、子供が雪遊びできるような、そんなフェスがないんであれば、僕はそれが夢です。それが、ハチ北でフェスをやる意味だと僕は思ってます。
ムッティー

スキー場としてのプライド、めっちゃあるのね。

タイガ
スキー場っていうか、僕がね、やっぱり冬とかスキーが大好きなんですよ。もちろんそういうものがあるハチ北が好き。だからこそ、普段冬場にしかハチ北に来ない人が冬以外に来るっていう機会を作りたいんです。
ムッティー

いいねー。そういうビジョンをできるかぎり実現していきたいね。

トモ
色々フェスのこと調べたり見たりするけど、やっぱり10年単位なんだって。10年経つとしんどくなって、次に渡すかそこでもう辞めるか。10年はがむしゃらに頑張れるけど、10年経ったときに立ち止まって考える。そう思うと僕は、ハチ北フェスは規模を縮小しても全然いいと思う。今は大きくしていく段階だけど、それで続けられないようなら、規模を小さくして予算も縮小してやっていってもいいと思う。
ムッティー

なるほどー。しんどい事はいっぱいありますからね…。

タイガ
地元の子が帰ってきてリーダーシップ取ってくれるっていうのが理想だとしても、地元がやっとるっていうことに固執するのか、ここでそういう取り組みがずっと続いてるってことを重視するのか、どっちかだと思うんですよ。
都会に住んどる人たちで、こんなおもしろいことはないって言って入ってきてくれる人がいれば、僕はそれはそれでいいと思うし。地元の子たちにどう思わすかっていうのは、地元の僕らのやりかた次第ですよね。
ムッティー

僕は京都ですけど、やっぱりこの動きはおもしろいと思ってて。ハチ北に住んでる人たちがいて、住んでるからこそ思う、考えることがあって。そういう人たちが自分たちでハチ北フェスを立ち上げて、分からんなりに2年間やったじゃないですか。やりたいと思って始めて、やろうと思ってやった。
結局は、そういう風に思い立って行動した人間がいるっていうことが、ハチ北フェスの象徴やと思うし、そのマインドがなくなったら多分終わり。やりたいと思う人間がいなくなったらそりゃ終わるよね。フェスやってるうちに、僕みたいなやつがどんどんハチ北に入っていったら多分続くやろうし。

結局のところ、100年後、次世代が現れずに100年後になっちゃうと、ハチ北には誰もいないかもっていうのもあり得るのがこの地域のリアルな話かもやけど、逆にやりたいことやる人間がいればこの町は続くと思う。地域活性化も含めて、文化としてのハチ北を、フェスを通じて伝えていけたらなって思いますね。それだけのものがハチ北にはあるので。


タイガ
ムッティーさんは一回目は来てないんすよね?
ムッティー

来てないです来てないです。存在を知らなかった。実際大丈夫なんでしょうか? 今年は特に、僕らみたいな外の人間がわーっと入って来てますけど…。

トモ
それがおもしろいですよね。地元民でもない人たちが手伝ってくれてるっていうほうが価値がある。
本当に化学反応ですよね。もう未知数なんです。地元民とするのは想定内なんです。あの人はこういう人だからこのくらいはやってくれるな、みたいな。表面上ああ言ってるけどこの人は絶対動かへんで、みたいなのも分かる。外部の人が手伝ってくれるって言うのは本当に未知数で、そこがおもしろいところですね。
タイガ
今年はもう最高! 一番求めてたことですね。ハチ北アクティブクラブだけでやるのは無理だっていうのが、一回目が終わったあとの反省だったんですよ。
ハチ北アクティブクラブだけでこのフェスをやるには規模が大きすぎるから、どんどん外部の人にも協力してもらわんと、もう無理だと。でもやりたいってなって、二回目は、今はハチ北に住んでないこうちゃんとか、その周りの人も入ってきてくれて、三回目の今年は、ハチ北に縁もゆかりもなかった人たちが本気でハチ北のことを考えてくれてる。それはすげー嬉しいことで。広がっていってるなって感じがする。
ムッティー

やっぱ作るのは楽しいよね。俺もどんどん広がればいいと思う。

タイガ
僕がずっと思っとるんは、核の、ここの部分はこうしたいっていう思いだけは譲らんように、うまいこと囲ってくれたらいいかなって。
ハチ北フェスは、いろんな企業だったりとかイベント屋さんが入ってできとるフェスじゃなくて、やりたくてやってる人の意見が直接反映できるフェス。フェスを行う団体としては、こんなにも直通の主催っておらんと思っとって。だからおもしろいというか。はいそれおもしろい、じゃあやろうやってなったらそれを阻む人は誰もいない。

ムッティー

実際動くってなると、ハチ北のみんなすげーエネルギー出しますよね。

トモ
フェスしようって言ってすぐできるところがハチ北のいいところ。いやね、さっきムッティーさんも言ってたけど、これ普通のところはできないです。それはやっぱり、上の人に柔軟性があって、それなりに資本があってっていう。
タイガ
ハチ北って、昔からサービス業だったり観光で栄えてて、イベントをするっていうことに対する抵抗がないんです。それは町も観光協会も同じで。だからハチ北フェスも受け入れてもらえてこうやって協力してくれる人もたくさんいる。こういうことがやりたいっていう意見に対して、結構応援してバックアップしてくれる。やりたいことが実現できるっていうのがいいところだと思います。
僕はハチ北フェスは、将来的にはどんどんいろんなひとのやりたいことを実現できるフェスにしていきたい。だから興味があればぜひ遊びに来てほしいし、それだけじゃなく若い人にもっとハチ北を知ってもらって、あわよくば移住してほしい(笑) 僕たちは、そういう仲間を常に探しています。
ムッティー

ハチ北以外のみんなが作る側にまわっていくような動きが今年は増えてると思うし、俺はそこで生まれるコミュニケーションが一番楽しいなー。どんどん影響を与えあう感じ。やりたいことがある人はどんどん参加しに来てほしいですね。

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